バイオグラフィーワークとは

私はこの人生で何をするために生まれてきたのだろう?

私はどこからきて、どこへいくの?

過去に起きた出来事にはどんな意味があるのだろう?

私の人生には、どうして同じような出来事が繰り返し起きるの?

あの人と出会った意味は何なのだろう?


これまでの人生でこのような問いを抱いた瞬間があったかもしれません。


私自身、この様な問いに対するヒントを求める道の最中、バイオグラフィーワークに出会いました。


バイオグラフィーワークは過去の出来事を振り返り、自分の人生を深く知ることにより、
しっかりとした足取りで未来へ進むための自己教育のプロセスです。


バイオグラフィーとは、私たちが生きてきた「人生の軌跡」です。


世の中にはたくさんの人がいますが、誰1人として同じバイオグラフィーの人はいません。

「私の人生はこの世の中の誰のとも違う、たったひとつの人生」であり

「私の人生の歩みや、その瞬間の思いをひとつ残らず知っているのは私だけ」なのです。


覚えている出来事はもちろんですが、忘れてしまったり、忘れかけているたくさんの出来事や瞬間が、

いまここにいる私を作っている。。当たり前のことですが、なんだか不思議ですね。


過去の出来事を振り返ることは、まるでパズルのピースをひとつずつ集めるような感じでもあります。

少しずつ、ゆっくりと、私の人生をつないでいる赤い糸が見えてくるかもしれません。


バイオグラフィーワークのダイナミズムの一つはグループワークにあります。

過去の場面を思い出し、その場面をクレヨンや水彩などの絵や粘土で表現した後、

言葉にしてグループでシェアします。

傾聴、対話を意識しながら、無理せず話せることだけを安心できる場で共有します。


自分の記憶を言葉にして話したり、他人の人生の一場面を共有させてもらうことで

思いがけない気づきがあるかもしれません。

全く違う場所で育った他人のある場面に自分との共通点が見つかったり

逆に他人とは違う自分の人生独自の特徴が見えることもあるでしょう。

他人を理解し、自分への理解を深めることは

人間の成長を支える、とても豊かな体験となります。


「自分を知りたければ世界を見てごらん
世界を知りたければ自分自身の内奥へ目を向けることだ」   
                    ルドルフ・シュタイナー


バイオグラフィーワークのプロセスの全ては「自己教育」です。

シュタイナーは「全ての教育は自己教育である」と言っています。

本当の意味で自分を律したり、教えたりできるのは、自分しかいないということ。


過去の出来事をどう捉え、これからどのように生きていくのかも全て自分に任されています。


過去を振り返るのは怖いことだと感じる方もいるかもしれません。

でも、少なくとも、バイオグラフィーワークに少しでも興味を持って、

ここにたどり着いてくださったこと、そのことにはなんらかの意味があるのかもしれません。

移りゆくこの瞬間もすべて、私たちの人生の一部となっていくのです。



*ルドルフ・シュタイナー(1861-1925):旧オーストリア帝国に生まれ、オーストリアやドイツで活動した思想家、哲学者、教育者。人智学(アントロポゾフィー)の創始者。